ほむらのループについて

 一つ気になる点は、ほむらが色々試せば試すほど状況が悪化しているように見えることですね。

◆ループで描かれた内容

 最初の時間軸では、ワルプルギスの夜は倒せませんでしたが、犠牲者はマミとまどかの2人の魔法少女だけでした。
 ほむらが魔法少女になった次の時間軸ではワルプルギスの夜は倒されましたが、まどかが魔女化してしまいました。
 3回目の時間軸ではさやかと杏子が魔法少女として登場し、マミを含めて3人とも死んでしまいます。さらに、ワルプルギスの夜と戦った結果まどかが魔女化しそうになり、その前にほむらがまどかを殺しています。
 この後、何回ループしたかはわかりませんが、前回のループではほむらが1人でワルプルギスの夜に立ち向かったものの倒せず、代わりにまどかが魔法少女になってワルプルギスの夜を倒しますが、やはり魔女化してしまいます。

 こうして10話で描かれたループの結果を見ると、ワルプルギスの夜をまどかが倒すと魔女化して最強の魔女になり、ワルプルギスの夜よりもたちの悪い事になってしまうようです。
 また、魔法少女になったほむらがまどかに干渉することで、さやかも話に巻き込まれて魔法少女になり、しかもほぼ確実に魔女化してしまうこと、さやかが巻き込まれると何故か杏子が近隣からやって来ることがわかります。

 また、本編のまどかは「魔法少女の友人として首を突っ込む一般人」という元々のほむらのポジションに当てはまっています。最初の時間軸では魔法少女として活躍することで自分に自信を持っていましたが、本編の時間軸では昔のほむらのような弱々しく振り回されるポジションになってしまうわけですね。

タイムパラドクス

 こうしたループの内容は、タイムトラベルSFによくある展開です。過去を改変すると、空いた人間のポジションに別の人間が当てはめられたり、無くなった出来事を埋め合わせるように別の出来事が起こって辻褄が合わされ、あまり変わらない結果に落ち着いてしまうという運命論的な話、もしくはちょっとした小さな違いが次々に連鎖を生み出し、思いもよらない大きな改変につながってしまうバタフライ効果ものの話です。
 ほむらはバタフライ効果のように、過去の改変で結果が様変わりする事を望んでいますが、これまでのループでは運命は大筋で覆らないように見えます。「まどかが契約する時の願い」など、ほむらの干渉以外に何か、他の不確定要素が加わらないと事態は改善しないのではないかと思えます。
 もしくは逆に、過去の改変では運命を変えられないとして「ループして人を救おうとすること」自体を否定する展開も有り得ないことではないですね。

◆まどかの強さ

 もう一つ気になる点は、最初の時間軸に比べてまどかが魔法少女になった時の強さが変わっていることですね。詳しい描写はありませんが、マミ、杏子、さやかについては特に違いは無さそうに見えますが、まどかについては最初の時間軸の頃は普通の魔法少女として描かれているのに、1話アバンの時間軸や本編の時間軸では「最強の魔法少女になれる」とキュウべぇが言っており、実際に一撃でワルプルギスの夜を倒しています。

 ほむらがループして戻った時点でマミと杏子は既に魔法少女の契約をしており、さやかが魔法少女になる場合は上條くんについての願いで間違いなさそうなので、まどかだけループごとに強さが変わるのは契約時の願いによるのかもしれません。何が原因かはさておき、ほむらがループすることで違いが出てきた部分だと思うので、この先の展開に関わる可能性はありますね。