シリーズ構成について

 こちらのブログで書かれていた、『まどか☆マギカ』の脚本のシリーズ構成を、ハリウッド映画をはじめとして定番の脚本構成の手法「三幕構成」で捉えた分析が興味深かったのでリンクしておきます。

シナリオ構造論から「魔法少女まどか☆マギカ」を読む ― なんでもリスト


 自分が見ていて漠然と思っていただけの事を、はっきりと言語化されていて非常に納得しました。そう言われると確かに映画の三幕構成ですね。『まどか☆マギカ』は脚本の支配力が強いので、こうした作劇術や演出という切り口で語るのはなかなか有効だと思います。

◆省略の多い話の進め方

 最近よくアニメを見るようになって思ったんですが、全体のストーリーの組み立てよりも、キャラクターの魅力をアピールする為の描写や各エピソードのインパクトなどの「部分的な要素」を重視する傾向が強いですね。キャラクター造形や登場人物の関係性などにテンプレートな設定を取り入れることで、余計な段取りを省いてテンポ重視で話を進める作品が多いように思います。現在放映中のものなら『ドラゴンクライシス』『これはゾンビですか?』『IS』などがこういうタイプですね。テンプレ要素をどうアレンジするか、どう魅力的に見せるか、という方向性かなぁと。

◆段取りの多い話の進め方

 逆に、『まどか☆マギカ』の場合は「魔法少女もの」というジャンルのお約束を意図的に崩している性質上、テンプレートを活用した進め方がやりづらいので、細かく段取りを積み上げる語り口になるのだと思います。単純に脚本家の個性がアニメより小説やノベル・ゲーム向きの語り口なだけかもしれませんが。


 段取りを積み重ねて丁寧に話を進める方が個人的には好みですが、アニメを見慣れている人からするとこういう進め方はややクドく感じるかもしれませんね。