お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!

参考 wikipedia:お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!

 地上波にて全12話視聴。原作のマンガは未読。バカなノリの強いハイテンションのコメディ作品として予想以上に楽しめました。

◆作風について

 妹萌えの作品を思わせるタイトルや、男子1人にヒロインが3人というハーレム系ラブコメのような人物関係ですが、ストレートに男性目線の願望を描いてエロや萌えを狙っただけではないように感じました。
 確かにパンチラや黒パンストなどのフェティッシュなサービス?カットにも気を使っていて、そうした需要も意識しているでしょうが、そうした男性の欲望を描きつつ同時にそれを笑いのネタとして客体化することで、自虐的に笑い飛ばす引いた視点があったように思います。ペンギンやネコをモザイク代わりに使った自主規制を過剰に入れたり、意図的に入れたり入れなかったりする演出も「ネタとしてやっている感」がありましたね。

 そういう意味では、今回の話のまとめと次回予告を「兄の性態観察日記」として見せていたのが象徴的でした。兄ではなく妹の視点から「欲望に振り回されている兄を観察する」という外側の目線に軸足を置いた作りになっていたのが肝なんではないかと。

 また、兄を含む男子4人組のAGE探検隊をかなりフィーチャーしていたのも、エロ本収集など思春期男子のいたたまれない部分、不毛な努力に焦点を当ててギャグにする上で大きかったと思います。

 他にもBL作画の担当者を別に立てたり、その短いシーンにいかにもな声優を起用したりと気合いを入れていて、大真面目にやればやるほどそれがギャグになるというあたりに作風がよく出ていた気がします。

◆各エピソードについて

 コメディ作品は1話完結のスタイルが多いので1話くらい飛んでも影響は大きくないことが多いんですが、たまたま震災の影響で未放送回になった10話と11話がひと続きのエピソードだったのは内容が掴みにくくてイタかったですね。
 この作品はアニメオリジナルのエピソードもそこそこソツなくまとめていた気がしますが、この終盤のエピソードはやや冗長に感じました。


 他にエピソード単位では2話の、兄の部屋で妄想に耽る奈緒と、別の場所で兄に直接迫っている彩葉を交互に見せるシーンが印象的でした。よくあるクロスカッティングのパターンですが、セリフも絡めて対照的に見せる見せ方が巧かったですね。