9話総括から今後の予想

 9話は概ね予想通りの展開になりましたね。「さやかと対になるキャラクター」という杏子の立ち位置からすれば、さやかが魔女になった時点で語るべき物語はあまり残されていないので、さやかと共に退場という形は妥当でしょう。奇麗な盛り上げ方だったように思います。
 「2人ならなんとかなる」と言っていたワルプルギスの夜にほむら1人で立ち向かうことになったのが1話アバンで描かれたシーンで、10話か11話あたりであのシーンにつながる可能性が高いですね。次回はまどかを巻き込まないために1人で戦う決意をしたほむらが、まどかと距離を取る展開になるのではと思います。

 仁美と上條くんの問題は演出の印象から見れば、さやかに発破をかける為の仁美のお節介だったと思っていますが、今のところ本気かフェイクかはっきり明示されていません。このまま視聴者の想像に任せて流してしまう可能性も高いですが、次回に真相が明らかになって、まどかがさやかを思って泣くというような精神的に追い詰める展開になる可能性もありますね。

 キュウべぇの語りに関してはSFに影響されたような内容でしたが、やや陳腐な印象でした。エントロピー云々の説明に関してはどの程度妥当な設定か分かりにくいので受け入れられますが、感情をエネルギーに変換する技術というのはマンガやアニメでありがちなトンデモ感が強い設定です。また、これまでのキュウべぇの合理的な思考、行動のパターンに比べて、魔法少女を使ったエネルギー生産というやり方は効率が悪く感じてしまうことが違和感につながっている気がします。

 10話からはいよいよ話の核心に迫る、ほむらとまどかの物語になると思います。とりあえず着地点としてありそうな展開を少し予想してみます。

◆システムを乗り越える

 魔法少女同士のバトルロワイヤル展開にはなりませんでしたが、魔法少女と魔女を取り巻くキュウべぇのシステムの中では本当の解決、勝利は得られない、という点はバトルロワイヤルに通じるシステムの問題です。こうした物語の場合、システムの内側で勝ち残ることではなく、システムを作り出し、運営している管理人(ゲームマスター)と対決してシステムを乗り越えることが最終目的になることが多いです。アニメでいえば舞-HiME』などがこのパターンでしたね。キュウべぇを倒せないことが既に描かれているので、何らかの方法でキュウべぇのシステムの裏をかくしかないでしょう。

◆まどかによるループ説

 以前から、まどかが「全てを元に戻して」とか「みんなを助けて」といった願いで契約をして時間が巻き戻りループ、という予想をよく見かけますし、システムの隙を突く良いやり方ではあるんですが、ほむらの時間停止能力などと整合性の取れる説明が思い付かないので、この予想が当たった場合でももう一捻りあるでしょう。またこの場合、最悪の事態は回避しているものの、何も解決せず次のループで良い方向に進むことに期待するという、問題を先送りしたエンディングになりますね。

◆まどかの自爆

 9話で杏子が魔女化したさやかを道連れに自爆しましたが、あのやり方なら自分が魔女化することも魔女のグリーフシードを残すこともなく相殺できそうなので、まどかがワルプルギスの夜と相討ちに持ち込めば、まどかが最強の魔女になるという最悪の事態を回避できそうです。

Magia(アニメ盤)

Magia(アニメ盤)

 ED曲のCDジャケットのイラストで、まどかとほむらが弓矢を構えていますが、矢じりがまどかのソウルジェムではないかという指摘がありました。イラストのシーンが本編で登場するとは限りませんが、まどかが自爆する展開になればイラストのシーン通りになるかもしれません。
 この展開でも、やはり根本的な解決にはならず、まどかの魔女化の問題とワルプルギスの夜による破壊を回避するだけになりますね。


 どちらにしろ魔法や奇跡を否定的に描いている作風からいって、まどかがそういった力で問題を解決する代償としてまどかが報われない形になる可能性が高いと思います。主人公が犠牲になって皆を助けるパターンですね。